介護施設のペーパーレス化とは?進まない理由とメリット・デメリットを解説
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介護施設における業務には、施設利用者の介護だけでなく、事務作業も含まれます。膨大な事務作業は、介護職員にとって負担となっているケースが多いです。
そこで、業務効率化を目指してペーパーレス化を図る施設が増えています。紙面での作業を電子化し、介護職員の負担軽減を目指しています。
しかし、ペーパーレス化を進めるにあたり、どのような手順で行うのがよいか分からない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、介護施設におけるペーパーレス化とはどのようなものか説明するとともに、ペーパーレスが進みづらい理由やメリットおよびデメリットについても解説します。 基本的な手順や成功のために注意したいポイントについても紹介しますので、ぜひ介護施設のペーパーレス化を実現してください。
目次
介護施設のペーパーレス化とは
ペーパーレス化とは、紙媒体で取り組んでいた業務を電子化することです。介護施設においても、紙媒体を利用した事務作業が数多く存在します。
たとえば、施設利用者の健康状態や介護の結果などの記録や食事や入浴の管理表および送迎表など、紙面により取り扱ってきたデータは多種多様に渡っています。
介護施設や訪問介護におけるペーパーレス化は、これまで紙面で取り扱ってきたデータの電子化を行い、記録作業を効率化したりデータの共有化を円滑に進めたりする効果が期待できます。
また、介護分野に従事する人材の不足が懸念されている中、ペーパーレス化ツールの導入は人手不足対策としても注目されています。介護施設における電子ツールの導入は、厚生労働省でも推奨しており、社会的な要請ともいえるでしょう。
介護現場でペーパーレス化が進まない理由
介護施設の現場におけるペーパーレス化を図る動きが増える一方で、なかなかIT化が進まない現状もあります。介護現場におけるペーパーレス化が進まないことには、主に以下の3点が挙げられます。
1.システム導入のコストがかかる
2.施設内での共有が難しい
3.職員の高齢化と人手不足
第一に、ペーパーレス化を実現するためのシステム導入にはコストがかかる点です。重要性は理解しているものの、予算がなくシステムの導入が難しい場合が多いのが現状です。
第二に、システムを導入した後の施設内での共有が難しい点が挙げられます。システムを活用する職員への教育を実施する時間やノウハウがないと同時に、施設利用者へのシステム導入の理解を求めることが難しいと考える施設管理者が多いのが現状です。
第三に、介護施設に従事する職員の高齢化と人手不足が挙げられます。新しいシステムは高齢の職員にとっては敷居が高く、かつそもそも人材が不足しているため、なかなか施設内で浸透させるのが難しいケースが多いです。
介護現場をペーパーレス化するメリット3選
介護現場においてペーパーレス化を進めることには、いくつかのメリットがあります。介護保険の情報やデイサービスの連絡帳、および実施した介護記録をペーパーレスで管理するなど、多くの活用方法が考えられます。
介護現場でペーパーレスを進めるメリットとして、主なものを以下に3点紹介します。
- 業務の効率化が図れる
- サービス品質の向上ができる
- 印刷・保管などのコスト削減が図れる
業務の効率化が図れる
介護現場でペーパーレスを推進すると、大幅な業務効率化が図れます。介護現場では、記録する必要のある多くの事項があります。たとえば、介護サービスを実施した際には利用者の健康状態や実施したサービス内容などを記録する介護記録があります。
これまでは紙面による管理が一般的であったため、情報の共有の困難さや保存媒体への転記作業の煩雑さなどが問題になるケースが多くみられました。介護職員にとっては、重い業務負担となっていたと考えられます。
ペーパーレスにより、場所や時間を問わず記録ができるようになります。さらに、情報共有が容易になるとともに、転記作業を省略できるため、業務効率化に大いに貢献するでしょう。
ペーパーレスで用いるツールは、介護記録やサービスの予定を記載する提供票など、活用の機会は多いです。
サービス品質の向上ができる
ペーパーレス化により、介護サービスの品質向上につなげられます。ペーパーレス化を進め事務作業の負担が減ることにより、介護職員は介護サービスに以前よりも注力できるようになります。そのため、サービスの質が向上し介護施設利用者の満足度アップにもつながるでしょう。
また、ペーパーレス化によりデータの正確性が増し共有化が進むことで、正確で迅速な判断につなげられます。さらに、介護サービス利用者にシステム共有を図ることで、より便利にサービスを利用してもらえるようになるでしょう。
印刷・保管などのコスト削減が図れる
ペーパーレス化により、印刷や保管などのコスト削減が可能です。従来の紙ベースでのデータ管理には、印刷代や用紙代などのコストが発生します。
ペーパーレス化のために専用ソフトを導入し紙面が不要になると、これまで発生していたコストを削減できるでしょう。紙の保管場所も不要になるため、介護作業用具置き場に活用するなど省スペース化にもつなげられます。
データをクラウド形式で保存できるシステムを導入した場合、災害などでデータが損なわれる心配もありません。 ペーパーレス化推進によるメリットについて、より詳しく知りたい方は下記の記事もぜひ参考にしてください。
介護記録ソフトを導入する4つのメリット!主な機能や選び方も解説
介護現場をペーパーレス化するデメリット3選
介護現場でペーパーレス化を推進するメリットを紹介しましたが、同時にデメリットもあります。ペーパーレスを目的としたシステムが、逆に意味のないものとなってしまったり、不便だと感じてしまったりする場合もあります。
介護現場でペーパーレス化を進めるデメリットのうち、代表的なものを以下に3点紹介するので参考にしてください。
- 導入のコストがかかる
- 個人情報漏洩のリスクがある
- 抵抗を感じる職員が出てくる
導入のコストがかかる
ペーパーレス化を実現するために専用システムを導入する際は、一定のコストがかかります。紙面の代わりに電子データで各種記録を管理するために、初期投資費用が発生します。
たとえば、紙面の記録を電子化するためのスキャナーや、情報を記録および閲覧するためのパソコンやタブレットなどが必要になるケースが一般的です。さらに、システムの利用方法を介護職員に教えるための時間とコストも発生します。
介護施設の運営を行うに際し、資金面の厳しさや難しさを感じている経営者の方も多いのではないでしょうか。ペーパーレス化を実現するためにかかる初期投資のコストが負担できずに、システム導入に踏み切れないケースが多いです。
個人情報漏洩のリスクがある
ペーパーレス化を目的としてシステムを導入すると、個人情報が漏洩するリスクが高くなります。システムやデータベースへの不正アクセスや、ハッキングなどのセキュリティを侵害される可能性があります。
また、悪意のある職員が施設の情報を盗み出す目的でシステムに不正にアクセスする場合もあるかもしれません。旧来の紙面においては安全に管理できていた個人情報が、電子化することにより不正に漏洩してしまう恐れが出てきます。
システム導入による情報漏洩を防止するために、最新のセキュリティソフトの導入を行ったり、職員ごとにシステム閲覧の権限を制限したりする対応が必要です。システム導入を行う際は、セキュリティ面に細心の注意を払うことが大切になります。
抵抗を感じる職員が出てくる
ペーパーレス化目的で導入したシステムに対して、抵抗感を覚える職員がいる可能性があります。特にベテラン職員ほど、従来のやり方を変えることに抵抗感を感じやすいです。
施設の職員に新しいシステムを浸透させるためには、システムに関する説明会を開催したり、実際に操作する経験ができる研修会を実施したりする必要があるでしょう。システムに触れてもらい、その特徴や魅力を実感してもらって、システム導入に理解を得ることが大切です。
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介護施設をペーパーレス化する5つの手順
ここでは、介護施設におけるペーパーレス化の基本的な手順として、以下の5つを紹介します。
- ペーパーレス化の目的を設定する
- 対象範囲と紙の使用量を把握する
- データ化する方法を検討する
- 運用方法を設定し実行する
- 効果検証と最適化をおこなう
1,ペーパーレス化の目的を設定する
ペーパーレス化を進める前に、まずは目的を設定して明確にする必要があります。ご自身の介護施設においてどのような課題があるのかを洗い出して、ペーパーレス化により解決する事項を明確にしましょう。
介護施設においてペーパーレス化を進める目的には、以下のような事項が考えられます。
- 職員間または施設利用者とのスムーズな情報共有を実現する
- 介護職員の業務負担を軽減し効率化を図る
- 紙の印刷代や管理維持費などのコストを削減する
目的が明確になっていないと、システム導入による効果の検証が難しくなります。施設の課題を洗い出してペーパーレス化の目的を設定してください。
2,対象範囲と紙の使用量を把握する
次に、ペーパーレスの対象範囲を決めて、使用している紙の量を把握しましょう。すべての業務を一気に変えてしまうのはオススメできません。
すべての業務を変更すると、職員にかかる負担が大きくなり、場合によっては抵抗感が強くなってしまい業務遂行に支障をきたしてしまうかもしれません。比較的スムーズにペーパーレスを進められる業務と、従来通り紙で対応した方がよい業務を区分しましょう。
ペーパーレス化する業務における紙の使用量を把握することで、どれほどのコストが削減できるのかがわかります。削減できるコストを金額で表して職員と共有することで、ペーパーレス化への意欲を醸成する効果も期待できます。
3,データ化する方法を検討する
ペーパーレスを進める業務範囲を決めた後は、データ化する方法を検討します。どのシステムを導入するのかを決める段階で、業務範囲や目的に見合ったものを選択することが重要です。
施設の規模によっては、大規模なシステムが不要な場合もあります。エクセルなどパソコンに最初からインストールされているソフトを利用すると対応できる場合もあります。
特定の業務のみにペーパーレス化を実施する場合には、その分野に特化したソフトの導入を検討するのもよいでしょう。
将来的に全業務のペーパーレス化を目指す場合は、最初から施設すべての業務を網羅できる大規模なシステムの導入を検討する必要があります。ご自身の施設に合ったソフトを導入して、無駄なくペーパーレスに取り組みましょう。
4,運用方法を設定し実行する
ペーパーレス化を進める具体的な方法を定めた後は、施設内における新しい運用方法を設定し実行に移します。旧来の紙ベースの管理の代わりに別のシステムを導入する場合には、何らかの業務フローの変更が必要です。
どの職員が業務に臨んでも同じフローとなるよう、マニュアル化を進めて業務の標準化を図ります。業務の中身を洗い出し、細かく区切ってそれぞれの業務フローを明文化していきます。
データの電子化を進める際には、個人情報漏洩対策も業務フローに加えることが大切です。使用後はシステムからログアウトするのをフローに加えるなど、職員で取り組めるセキュリティを充実させる必要があります。
細かな運用方法を決めてから、ペーパーレス化を実践に移しましょう。
5,効果検証と最適化をおこなう
新しい運用を実践した後はその効果を検証し、よりよい運用方法を検討して最適化を図る必要があります。新しいシステムを導入して運用を変更しただけでは、ペーパーレス化が完了するわけではありません。
最初に決めた運用が最適であるとは限らず、実践を経てよりよいものに改善していくことが大切です。最初に定めた運用が非効率であると分かった場合には、一旦実施を止めて他の運用方法を検討する必要があるでしょう。
再度運用を決めて実践を行い、結果を検証する行為を繰り返すことで、最適な運用に近づけていくのが正しい対応方法です。
介護記録をペーパーレス化するより詳しい手順を知りたい方は、ぜひこちらの記事を参考にしてください。
介護記録を電子化するメリット・デメリット3選を解説!導入手順も紹介
介護施設がペーパーレス化を成功させるためのポイント
介護施設がペーパーレス化を成功させるためのポイントとして、以下の3点を紹介します。
- ペーパーレスは段階的に推進する
- 中長期の視点で介護ソフトを選定する
- 自施設の課題に適したソリューションを選ぶ
ペーパーレスは段階的に推進する
介護施設の業務をペーパーレス化を進めるにあたって、一度にすべての業務を実行するのではなく、段階的に進める方がよいでしょう。まとめてすべての業務を変更すると、職員は慣れない作業に追われて混乱してしまいます。
まずは影響が少ないと考えられる業務からペーパーレス化を図り、徐々にその範囲を拡大していくのが一般的です。
新しいシステム導入によって、介護のサービスの品質が落ちてしまっては元も子もありません。介護現場の混乱を最小限にとどめるために、ペーパーレスを目的としたシステム導入や運用の変更は段階的に行っていきましょう。
導入するソフト選定においても、徐々にペーパーレス化を進められるような使いやすいタイプのものを選択するのがオススメです。
中長期の視点で介護ソフトを選定する
ペーパーレス化を目指して介護ソフトを導入する際は、目先の問題のみに注視するのではなく、中長期の視点を持って選定することが重要です。現状抱えている問題に対処するのはもちろん、将来的に起こりうる課題を想定してソフトを選ぶ視点があった方がよいでしょう。
たとえば、介護関連の法令が変更になる可能性に対処できるソフトの方が長期的に利用が可能です。法改正があるたびにソフトの入れ替えが必要なシステムでは、効率が悪くなってしまいます。
仮に初期費用が高いとしても、将来継続して利用できるツールを選択したほうが、中長期的な視点では全体のコストを抑えられる場合もあります。変化に対応できる長期的に毛属して利用できるかどうかという視点を含めて、導入ソフトを決めるとよいでしょう。
自施設の課題に適したソリューションを選ぶ
ご自身の施設の課題に適したツールやシステムの選択が大切です。高性能で高価なシステムを導入したとしても、ご自身の施設の状況に合っていないものであれば高い効果は得られないでしょう。
パソコン操作が苦手な職員が多い施設の場合は、サポート体制が充実していないシステムを選択すると、導入に苦労する可能性が高いです。
せっかくのシステムの機能を最大限に活用できずに無駄になってしまったり、業務上のトラブル発生につながったりしてしまう恐れがあります。
導入するシステムやツールを決める際は、施設の課題に加え利用する職員の状況を考慮し、適したものを比較して選ぶことが大切です。幅広い業務に対応でき、かつ操作が簡単なシステムを選ぶと、どの施設でもトラブルは少ないと考えられます。
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介護施設における業務効率化とサービス品質の向上を目指すうえで、ペーパーレス化ができるシステムの導入には大いに意義があります。しかし、ご自身の施設に合ったシステムを選ぶのが難しいと考える方も多いのではないでしょうか。
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簡単な操作で利用ができるシステムであるため、職員の抵抗感を抑えられる可能性が高いです。さらに、施設関係者で共有できるコミュニティにオンラインで参加でき、悩み相談や利用者間の交流ができます。
導入するシステムに迷う場合には、使いやすく広範囲の業務に対応できるシエノワを試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
介護施設の業務効率化や介護サービスの品質向上を図るため、ペーパーレス化に取り組みたいと考える施設経営者も多いでしょう。しかし、新しいシステムの導入には費用がかかり、利用する職員の抵抗感を募らせる恐れもあります。
ペーパーレス化を進める際には、正しい手順を理解して取り組み、かつご自身の施設に合った長期的に利用できるシステムを選ぶことが大切です。
導入するシステムに迷った場合には、シエノワを確認してください。シエノワは、広範囲な業務に対応できるシステムで、操作も簡単で取り入れやすいです。介護施設のペーパーレス化の実現のため、シエノワを活用してみてはいかがでしょうか。
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