介護記録ソフトを導入する4つのメリット!主な機能や選び方も解説
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近年の介護業界では、人手不足が深刻な問題となっています。
そのため、業務効率化や事務作業の軽減を図る目的で、介護記録ソフトを現場や訪問先で活用する事業所が増えています。
しかし、介護記録ソフトの販売メーカーは多く、機能もさまざまなので、最適なソフトを探すのが難しいといった声も少なくありません。
そこで今回は、介護記録ソフトの導入により得られるメリットや選び方のポイントを解説します。
厚生労働省も従来の紙媒体に代わり、デジタル化を推進するなどICTの利用を推奨しています。自らの事業所に合った介護記録ソフトを選び、より良いサービス提供を目指しましょう。
目次
介護記録ソフトとは?
介護記録は、利用者一人ひとりの健康状態や提供したサービス内容、生活状況などを記録するものです。
介護事業者は、介護記録の作成および保存が介護保険法で義務付けられています。
しかし、事務作業の負担が大きく、業務を効率化したいと考える方も多いでしょう。 こういった介護事業における課題を解決するため、介護記録ソフトを導入し、作業短縮や業務効率化を実現している事業所が増えています。
厚生労働省においても、介護業界のICTの促進を推奨しています。 記録作業にかかる時間や事務作業の負担を軽減できれば、結果として業務の効率化が実現できるでしょう。
また、提供するケアの質の向上や職場の環境作り、円滑なコミュニケーション形成など、多くのメリットが期待できます。
介護記録ソフトの主な機能
介護記録ソフトは、今まで紙に記録・保存していたサービスの提供記録や利用者の生活情報を電子端末で記録・保存します。
実際の機能はソフトによって異なり、おもに以下のような機能が備わっています。
介護記録ソフトの主な機能
- 利用者情報の閲覧
- スケジュール管理
- ケアプランの作成
- サービス利用票・提供票の作成
- 請求管理
- スタッフ管理
- 情報共有
帳票作成やサービス記録をデータで保管・管理ができる点が、介護記録ソフトの最大の魅力です。
さらに、データの情報共有により、スタッフ間の連携や質の高い介護サービスの提供ができるなど多くのメリットをもたらします。
介護事業所がデジタル化することで、業務効率化が実現できます。職場の環境改善にもなり、人材確保の効果も期待できるでしょう。
介護記録ソフトを導入するメリット4選
介護の現場では、アナログな作業を続けている事業所も多くあり、事務作業の負担が課題となっています。
実際に、介護記録ソフトを導入することで得られるメリットには、どういったものがあるのでしょう。
- 介護記録の転記が不要
- 情報検索の効率化
- ペーパーレス化で経費削減
- 申し送りや引継ぎの効率化
介護記録ソフトの導入により、ペーパーレス化や事務作業の軽減、情報共有、介護サービスの質が向上するなど多くのメリットが得られます。
それでは、個別に見ていきましょう。
介護記録の転記が不要
介護記録ソフトは、電子端末で入力・記録します。介護記録の手書きが不要になることが、大きなメリットといえるでしょう。
手書きの場合、メモから記録用紙に転記し、同じ内容をまた別の書類に書き写すなど、煩雑な作業が必要です。
しかし、介護記録ソフトに必要な項目を記録すれば、記録作成にかかる時間を大幅に軽減できます。
さらに、ソフトに入力した内容を他の書類に転記できるため、他の帳票作成も可能です。
また、手書きによる記入もれや伝達もれといったケアレスミスの防止にもつながります。
情報検索の効率化
介護記録ソフトを活用すれば、必要な情報を簡単に探し出せるのもメリットです。
紙ベースで記録・保管している場合、ファイリングされた書類の中から手作業で探すことになるため、時間がかかってしまいがちです。
介護記録ソフトの場合、利用者情報の画面から日付を入力すれば、過去の情報も一瞬で閲覧できます。他の職員がいつでも最新の情報をすぐに確認できるので、事務的な業務時間を削減できるのもメリットです。
また、データ化により検索が容易に可能になるのは、事業所と関係施設や病院などとの連携が円滑になる効果もあります。
ペーパーレス化で経費削減
ペーパーレス化で経費削減が実現できることも、介護記録ソフトのメリットです。
介護事業所では、介護記録だけでなく、報告書や契約書類など多くの書類を保管しておかなければなりません。
そのため、介護ソフトを導入しデータで保存すれば、書類の保管場所も不要になるので省スペース化が可能になります。紙代や印刷にかかるコストも削減できるため、経費削減にもつながるでしょう。
また、ペーパーレス化は、介護ソフトのクラウド型を利用することで、書類の紛失リスクや人的ミス、災害時などにデータを守ることにも役立ちます。
申し送りや引継ぎを効率化
申し送りや引継ぎが効率化される点も、介護記録ソフトのメリットです。
高齢者は体調の変化が時間ごとに変わることもあり、適切な介護サービスを提供するには、スタッフや職員間の情報共有が欠かせません。
しかし、手書きで申し送り書に記載したり、個別に連絡したりする場合、人的ミスも多くなりタイムラグも生じがちです。介護記録ソフトを利用すれば、リアルタイムで確認できるため、スピーディーな対応が可能になるでしょう。
また、デジタルツールを使用することで円滑な情報共有ができ、職員間のコミュニケーションがスムーズになり、チームワークの向上も期待できます。
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また、電子カルテ共有システムの導入により、介護事業所全体の業務効率化が可能です。
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介護記録ソフトを選ぶ8つのポイント
介護記録ソフトの導入を検討する場合、どのような点を重視すればいいのか、また何から手をつければいいか疑問に思っている方も少なくありません。
一口に介護記録ソフトといっても、搭載されている機能や価格、サービス、契約形態などはメーカーにより異なります。
ここでは、介護記録ソフトの選び方を8つの項目に分けて解説します。
- デモンストレーションの有無
- 音声入力やタブレットへの対応
- 外部機器との連携
- 介護以外の業務のカバー
- 簡便性
- 導入形態
- 初期費用とランニングコスト
- サポート体制
介護記録ソフトを検討する際には、導入・運用・操作をひとつの基準にして選定することがポイントです。
デモンストレーションの有無
介護記録ソフトの導入を検討する際は、デモンストレーションの有無を確認しましょう。
多くのメーカーが無料体験やデモンストレーションを実施しています。ソフトを購入する前に、実際の介護記録ソフトを使用し触ってみることが重要です。
介護記録ソフトは多くのメーカーがあり、搭載されている機能や操作方法、費用なども異なります。 事業所の責任者が介護記録ソフトの導入を検討する場合、課題となっている事項に対して、必要な機能が備わっているかを多角的に検討する必要があります。
まず、インターネットで検索し、いくつか気になる介護記録ソフトの資料を請求して比較検討することから始めましょう。
デモンストレーションでは、現場のスタッフと実際の使用感を体験し、ソフトが課題解決に適しているかを検討することが大切です。
音声入力やタブレットへの対応
介護記録ソフトには、音声入力やタブレットへ対応しているソフトがあります。
タブレットを活用すれば、記録紙からパソコンへ手入力という作業工程を減らすことが可能です。
介護記録ソフトを導入しても、紙から入力する運用方法では効率化されているとはいえません。 タブレットやスマートフォンに対応したソフトは、現場や施設内、利用者の自宅など、さまざまな場所で記録作業が可能です。
また、データをリアルタイムで確認できるため、スタッフ間の連絡や報告もスムーズになります。
さらに、タブレットの良さは、入力支援機能が充実していることです。バイタルや食事、服薬、入浴などのケア記録や文章を定型化し、タッチペンや選択式などで効率良く入力作業を進められるでしょう。
音声入力を活用すれば、手が離せない場所で記録作業をおこなうことも可能です。介護記録ソフトとタブレットを活用すれば、記入ミスの防止やケア記録の効率化にもつながります。
外部機器との連携
外部機器との連携性も、介護記録ソフト選びの大きな判断ポイントです。
バイタル機器や見守りシステムなど、介護事業所で使用されている機器と連携が可能であれば、効率化に直結します。 外部機器との連携により、情報共有とデータの一元管理が可能となり、事業所の運営をトータルにサポートできるでしょう。
また、介護記録ソフトの中には、厚生労働省が運用しているLIFEと連携しているものがあります。LIFEに同じ内容を入力する手間と時間が省略できるため、スムーズに利用が可能です。LIFEを適切に活用することで、事業所の経営に良い影響を与えられる可能性も期待できます。
介護記録ソフトを導入する際は、関係するシステムや機器と連携が可能かどうかも確認し、検討するようにしましょう。
介護以外の業務のカバー
介護以外の業務がカバーできるかどうかも、介護記録ソフト選びのポイントです。 介護事業所では、介護業業務以外に職員の勤怠管理や給与計算、シフト作成などさまざまな業務があります。 これらの周辺業務をカバーできるソフトを選ぶと、事業所の運営を円滑におこなえます。 利用者日誌や家族への報告書など、慌ただしく手書きで書いていたものを、必要に合わせていつでも出力が可能です。 また、介護ケア記録と保険請求管理が一元管理できるシステムもあります。介護サービスの記録と連携が可能であれば、事務作業にかかる時間が大幅に削減できるでしょう。
簡便性
介護記録ソフトを選ぶときは、操作の簡便性も重視するようにしましょう。
介護記録ソフトを導入していない事業所では、パソコン操作に不慣れな職員がいるケースも多く見られます。
そのため、ケア記録や利用者の検索、連絡事項の確認に時間がかかってしまっては、せっかく導入したシステムも無駄になってしまいます。 介護記録ソフトの選定には、操作がしやすいかどうかを一つの判断材料にするのがポイントです。
パソコン操作が苦手な職員には、タブレットやスマートフォンを使って、該当項目を選択していくだけで記録ができるソフトの活用をおすすめします。
また、入力方法や画面のレイアウト、文字の見やすさなども判断材料です。音声入力や動画に対応しているソフトもありますので、必要な機能かどうかをチェックするとよいでしょう。
無料体験やデモンストレーションを有効活用して、職員が問題なく使えるかどうかを確認し、検討することをおすすめします。
導入形態
介護記録ソフトを導入する場合、導入形態の確認も重要なポイントです。介護記録ソフトは、クラウド型とオンプレミス型の2種類があります。
種類 | システム | 特徴 |
オンプレミス型 | 事業所でサーバーを構築し運用 | ・インターネット環境がなくても 使用可能 ・導入費用が高い ・情報漏洩リスクが低い ・メンテナンスが大変 ・災害時リスクがある ・バージョンアップなどの負担がある |
クラウド型 | インターネット上のサーバーを利用し、記録 | ・低コストで導入可能 ・柔軟にアクセス可能 ・災害時リスクの軽減 ・インターネット環境が必要 ・情報漏洩リスクがある ・ランニングコストがかかる |
オンプレミス型は、インターネット環境がなくても使用可能です。事業所内だけで情報を管理できる安心感がありますが、管理が大変というデメリットがあります。
一方、クラウド型はインターネット環境があれば、どこからでもアクセスできるのが魅力です。最近では技術進化により、セキュリティも強化されてきており、クラウド型を導入する施設が増えてきました。
また、介護記録ソフトのシステムは、訪問看護のみ対応や記録業務のみ対応など、ソフトによって異なります。
事業所が抱える課題に応じて適切なタイプを選ぶようにするとよいでしょう。
初期費用とランニングコスト
先ほど述べた導入形態にもあるように、介護記録ソフトを導入する際は、初期費用とランニングコストも考慮しなければなりません。 必要な費用として以下のものがあります。
- ハード(パソコン、タブレット、プリンター、ネットワーク環境)
- ソフト(介護記録ソフト)
- サポート費用
クラウド型の場合、サーバーを設置する必要がなく、初期費用を抑えられる点が魅力です。
一方、オンプレミス型は初期費用が多くかかる点がデメリットです。 ソフト面では、月額制とソフトの使用権を購入する場合に分けられます。
クラウド型のソフトウェアは、毎月一定額を支払うサブスクリプション形式をとっているため、毎月ランニングコストが発生します。
ソフトの使用権を購入する場合は、毎月のランニングコストは安く抑えられ、導入台数によっては、クラウド型よりもコストが安くなる点が魅力といえるでしょう。
ただし、オンプレミス型は法改正時のソフト対応費用がかかります。ソフトのアップデートや買い直す必要があることを知っておきましょう。
サポート体制
介護記録ソフトを円滑に運用していくためには、メーカーに十分なサポート体制が整っているかどうかを確認しましょう。
介護記録ソフトメーカーは、それぞれユーザーサポートをおこなっていますが、その対応方法は各メーカーによって異なります。
対応方法の種類
- 電話
- リモート
- 訪問
- メール
- チャット
使い方で困ったときに、すぐに解決できるかどうかは重要です。サポート対応の方法以外に、受付時間や対応までの時間も確認するとよいでしょう。
また、無料で配布されている介護記録ソフトなどはサポートがないものもあります。サポート体制が充実しているソフトを選択するようにしましょう。
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近年、介護施設ではlCT化により、業務効率化・オンライン化が促進されています。なかでも、介護記録ソフトを導入し、業務をデジタル化する事業所が増えています。
介護記録ソフトは、単に介護記録を作成するだけではありません。利用者の生活環境の把握やご家族と情報を共有する機能があるソフトを使えば、サービス向上に役立つでしょう。
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まとめ
本記事では、介護記録ソフトの導入により得られるメリットや選び方のポイントについて解説しました。
介護業界におけるICT化や業務効率化は厚生労働省も推奨しています。高齢化が進む中で、介護記録ソフトを活用したICT化はますます拡大していくことでしょう。
介護記録ソフトを選定するときは、事業所が必要としている機能が備わっているものを選ぶようにしましょう。より質の高い介護サービスの提供を目指して、介護記録ソフトの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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