介護記録の上手な書き方の4つのポイント!例文や効率化のコツもご紹介
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介護記録は、利用者の状態や提供したケアの内容を記録するものです。 介護記録の書き方を正しく理解し、適切な記録を残すことは、介護士にとって重要なスキルのひとつです。 しかし、「何を書けばいいのかわからない」「忙しくて記録を書く時間がない」といった悩みを抱える介護士も少なくありません。 介護記録の書き方がわからないまま、不十分な記録を残してしまうと、利用者への適切なケアの提供や、職員間の情報共有に支障をきたす恐れがあります。 そこで、この記事では、介護記録の基本的な書き方のポイントや、わかりやすい介護記録の例文、介護記録作成を効率化するコツなどを紹介します。 介護記録の重要性を理解し、正しい書き方を身につけることで、利用者へのよりよいケアの提供につなげましょう。
目次
介護記録の基本的な書き方のポイント3選
介護記録は、利用者の状態や提供したケアの内容を正確に記録することが重要です。 適切な介護記録を作成するためのポイントは以下の3つです。
- 5W1Hで簡潔に記述
- 客観的事実のみを記録
- 略語や専門用語の使用は回避
それぞれ説明します。
5W1Hで簡潔に記述
介護記録を適切に記述するためには、5W1Hを意識することが重要です。 これにより、誰が、いつ、どこで、何を、なぜ、どのようにおこなったかが明確になり、介護サービスの提供状況を正確に把握できます。
- When (いつ):日付、時刻を正確に記録
- Where (どこで):利用者の居室、浴室、食堂など、具体的な場所を記録
- Who (誰が):利用者の名前、介護職員の名前を記録
- What (何を):利用者の状況、介護サービスの内容を詳細に記録
- Why (なぜ):介護サービスを提供した理由や目的を記録
- How (どのように):介護サービスの提供方法や経過を記録
これらの情報を記録することで、適切な介護計画の立案や、ほかの介護職員との情報共有が可能になります。
客観的事実のみを記録
介護記録には、利用者の状況や介護サービスの提供内容を正確に記録することが求められます。 そのためには、主観的な判断や評価を避け、客観的な事実のみを記録することが重要です。 ■主観的な表現を避ける 「利用者の表情が暗い」のような主観的な表現ではなく、「利用者が眉間にしわを寄せ、下を向いている」と具体的な観察結果を記録する。 ■数値化して記録する 「いつもより食欲がない」のような曖昧な表現ではなく、「昼食の摂取量が半分程度であった」と数値化して記録する。 このように、客観的な事実を具体的に記録することで、利用者の状況変化を正確に把握し、適切なケアの提供ができます。
略語や専門用語の使用は回避
介護記録は、多職種間での情報共有を目的としているため、略語や専門用語の使用は避けましょう。 「BT」や「Vs」のような略語や、「カテーテル」「デブリードマン」などの専門用語は、医療・介護の知識がない人にはわかりにくいものです。 略語や専門用語を使用する場合は、正式名称を記載し、括弧内に略語を記すようにします。 たとえば、「血圧(BP)」「日常生活動作(ADL)」のように表記することで、誰もが理解できる介護記録になります。
介護記録の4つの目的
介護記録は、単なる業務の記録ではありません。 適切な介護記録を作成することで、さまざまな業務の目的を遂行できます。 ここでは、以下の介護記録の4つの主要な目的について詳しく解説します。
- 職員同士の情報共有
- 利用者や家族への情報共有
- ケアプラン作成時に活用
- 介護士を守る法的根拠
職員同士の情報共有
介護記録の最も重要な目的のひとつは、職員同士の情報共有です。 介護現場では、24時間365日切れ目なくケアを提供する必要があります。 そのため、勤務交代によって担当者が変わっても、利用者に一貫した質の高いケアを提供できるよう、的確な情報共有が不可欠なのです。 たとえば、ある利用者の体調に変化があった場合、その情報を適切に記録し、次の勤務者に引き継ぐことで、速やかに適切な対応を取ることができます。 以上のように、介護記録を通じた職員間の情報共有は、利用者の状態変化やケアの効果を継続的に把握し、より質の高いケアを提供するために欠かせません。
利用者や家族への情報共有
介護記録は、利用者や家族への情報共有にも役立ちます。 介護サービスを受ける利用者やその家族にとって、どのようなケアを受けているのかを知ることは非常に重要です。 たとえば、その日の利用者の様子を介護記録に基づいて説明することで、家族は利用者の日常を詳しく知ることができます。 また、ケアプランの内容や目標についても、介護記録を用いて具体的に説明することで、家族の理解と協力を得られるでしょう。 介護記録は、利用者や家族との信頼関係を築き、その意向を尊重したケアを提供するための重要なツールです。 介護サービスの質を高め、利用者と家族の満足度を上げるためにも、介護記録の役割は非常に大きいといえるでしょう。
ケアプラン作成時に活用
介護記録は、ケアプラン作成時に重要な情報源として活用されます。 ケアマネジャーが利用者一人ひとりに合わせた適切なケアプランを作成するには、利用者の心身の状態やニーズを正確に把握することが不可欠です。 そのために日々の介護記録が有用な情報となります。 たとえば、
- 利用者の歩行能力の変化
- 利用者の趣味や関心事
- 日常的な習慣
などを介護記録から読み取ることで、福祉用具の導入やその人らしい生活を支援するケアプランを立てられます。 詳細で正確な介護記録は、利用者のQOL向上につながる最適なケアプランを作成するための土台となるのです。
介護士を守る法的根拠
介護現場では事故や苦情のリスクが常にあり、介護士が適切なケアを提供していたことを証明するには、詳細で正確な介護記録が重要な証拠となります。 たとえば、利用者の転倒事故や家族からの苦情に対して、介護記録をもとに介護士の行動の妥当性を示すことができます。 適切な介護記録は介護士の法的責任を守る手段であり、介護士自身を守ることにもつながります。 ただし、そのためには正確で詳細な記録が必要であり、曖昧で不十分な記録では逆効果となるおそれがあります。 介護記録の重要性を理解し、日々の業務の中で正しく記録を作成することが求められているのです。
わかりやすい介護記録の例文
介護記録の書き方がわかっても、実際に記録を作成するとなると戸惑ってしまうこともあるでしょう。 ここでは、食事、排泄、入浴の場面における介護記録の具体的な例文を紹介します。 これらの例文を参考にして、利用者の状態や提供したケアの内容を的確に記録しましょう。
食事の例文
食事の介護記録では、利用者の食事摂取量、食事形態、食事に要した時間、食事中の様子などを記録します。 例文は以下のとおりです。 利用者名:山田花子 日付:2024年5月1日 食事時間:12:00~12:30
- 本日の昼食は、ご飯、味噌汁、鮭の塩焼き、野菜の煮物を提供した。
- 自力で食事が可能だが、食べこぼしが多く見られた。
- 食事量は、ご飯茶碗1杯、味噌汁半分、鮭1切れ、野菜の煮物は3分の1程度であった。
- 食事中は落ち着いた様子で、特に問題行動は見られなかった。
- 食後に口腔ケアをおこない、うがいは自力でおこなえた。
この記録では、いつ、どこで、どのような食事形態で、どれだけ食べたのか、食事に要した時間、食事中の様子が簡潔に記されています。
排泄の例文
排泄の介護記録では、排尿・排便の時間、量、性状、排泄方法などを記録します。 例文は以下のとおりです。 利用者名:鈴木太郎 日付:2024年5月1日 排泄時間:10:00、14:00、18:00
- 10:00にトイレにて排尿あり。尿量は普通。
- 14:00にトイレにて排尿あり。尿量は少なめ。
- 18:00にトイレにて排尿と排便あり。尿量は普通、便は普通便で量も普通。
- トイレでの立ち座りは一部介助が必要だが、排泄動作自体は自力でおこなえている。
- 排泄後の後始末は、一部介助を要する。
この記録では、いつ、どこで、どの方法で、尿量、尿の性状、排泄後のケアの内容が具体的に記されており、利用者の状態が明確に伝わります。
入浴の例文
入浴の介護記録では、入浴時間、入浴方法、入浴中の様子、バイタルの状態などを記録します。 例文は以下のとおりです。 利用者名:佐藤良子 日付:2024年5月1日 入浴時間:14:00~14:30
- 一般浴にて入浴介助をおこなった。
- 脱衣は上半身のみ介助が必要で、下半身は自力でおこなえた。
- 浴槽内での座位保持は安定しており、特に問題はなかった。
- 洗体は上半身のみ介助を要し、下半身は自力でおこなえた。
- 洗髪は全介助でおこなった。
- 入浴後の着衣は全介助でおこなった。
- 入浴中、バイタルに特に変化はなく、本人の表情も穏やかであった。
この記録では、いつ、どのような方法で、入浴時間、入浴中の様子、介助の内容、バイタルの状態が記されています。
介護記録作成を効率化する4つのコツ
介護記録は、介護業務の重要な一部ですが、時間と労力を要する作業でもあります。 限られた時間の中で、正確で詳細な介護記録を作成するためには、効率化が欠かせません。 介護記録作成を効率化するコツは以下の4つです。
- 常にメモ帳を携帯
- テンプレートの作成
- 普段から使ってはいけない言葉に注意
- 介護記録に使える表現や言葉をストック
それぞれ説明します。
常にメモ帳を携帯
介護記録作成を効率化するには、常にメモ帳を携帯することが有効です。 介護現場では利用者の様子やケアの内容を正確に記録する必要がありますが、勤務終了時にまとめて記録しようとすると細かい情報を忘れがちです。 そこで、メモ帳を携帯し、ケアの合間にその場で要点をメモしておくことが重要となります。 たとえば、食事量や排泄の状況、バイタルサインの変化、利用者の発言や行動、介護士自身の気づきなどをリアルタイムで記録できます。 そうすることで、正確で詳細な介護記録を効率的に作成でき、利用者への質の高いケアの提供につながります。
テンプレートの作成
介護記録作成の効率化には、テンプレートの活用が有効です。 介護記録には毎回同じような情報を記入する必要があります。 これらの共通項目をテンプレート化することで記録作成の時間を大幅に短縮でき、記録漏れも防げます。 食事介助や排泄介助、入浴介助などの場面ごとにテンプレートを作成しておき、必要な情報を埋めていくだけで記録が完成するようにしておくとよいでしょう。 テンプレートを活用することで、介護記録作成の効率化と標準化を図ることができ、介護士の負担軽減にもつながります。 積極的にテンプレートを取り入れることをオススメします。
普段から使ってはいけない言葉に注意
介護記録は公的な文書であり、利用者やほかの専門職とも共有される可能性があります。 そのため、曖昧な表現や主観的な判断、差別的な言葉などを使用しないよう注意が必要です。 たとえば、「ぼけている」「手がかかる」といった表現は避け、具体的な状態を客観的に記録するようにしましょう。 また、「〜ねばならない」といった強制的な言い回しも不適切です。 普段から使ってはいけない言葉を意識し、適切な表現を心がけることが介護記録の質を高めることにつながります。 適切な言葉遣いは、利用者の尊厳を守り、専門職としての責任を果たすことになります。
介護記録に使える表現や言葉をストック
介護記録の作成効率を上げるには、日頃から使える表現や言葉をストックしておくことが有効です。 介護記録では利用者の状態やケアの内容を的確に表現する必要がありますが、適切な言葉が思い浮かばないと記録作成に時間がかかってしまいます。 そこで、食事介助の場面では「自力摂取」「一部介助」「全介助」、排泄介助の場面では「自立」「見守り」「一部介助」などのよく使う表現をリスト化しておくとよいでしょう。 また、専門用語の意味を理解し、適切に使えるようにしておくことも大切です。 日々の業務の中で意識的に言葉を集め、活用していくことがスキルアップにつながります。
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まとめ
本記事では、介護記録の書き方について詳しく解説してきました。 ポイントをまとめると以下のようになります。
- 5W1Hを意識し、客観的事実のみを記録する
- 介護記録は情報共有やケアプラン作成に活用される
- 食事、排泄、入浴の具体的な記録例を参考にする
- メモ帳の携帯やテンプレート作成で効率化を図る
- シエノワで介護記録の書き方ノウハウを共有できる
介護記録は、利用者へ質の高いケアを提供するために欠かせません。 今回紹介したポイントを意識して、日々の介護記録作成に取り組んでみてください。 最初は大変かもしれませんが、徐々に要領が掴めてくるはずです。 正確で詳細な介護記録を作成し、利用者によりよいケアを届けましょう。 また、介護記録の書き方に悩んだ場合は、シエノワの活用がオススメです。 シエノワは、全国の介護士が知識やノウハウを共有し合えるプラットフォームです。 介護記録の作成だけでなく、日ごろの業務リソースに負荷を感じている場合は、ぜひ下記よりご登録をしてみてください。
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